思い出を繕いながら
自然派の〈サラヤ〉は、余計なものは入れない、人と地球に優しいものづくりを続けています。シンプルな暮らしに、サラヤのアイテムはちょうどいい。
愛用品とともに、暮らしのストーリーをうかがいました。
- ディスプレイデザイナー/暮らしの装飾家ミスミノリコさん
- 美大卒業後、株式会社サザビーにてウィンドーディスプレイの仕事に携わる。現在は独立し、店舗のディスプレイや雑誌、書籍のスタイリングなど幅広く活躍。普段の暮らしに取り入れられる、デコレーションアイディアや手作りの楽しさを発信している。近著として『繕う暮らし』(主婦と生活社)がある。
新品より愛おしいもの
「子供の時から手を動かすのが好きでした。裁縫好きの母親と、手先が器用で壊れたものは何でも直してくれる父親の影響もあって、自分で本を読みながら編み物や刺繍を覚えていきました」。フリーランスで店舗のディスプレイやスタイリングを手がけるミスミノリコさん。ひと時の楽しさを空間で演出する一方、古いものを見直しながら、ものを大切にする暮らしを送っている。たとえば、穴の開いた靴下。シミの付いた衣服。普通なら捨ててしまうものも、繕うことで新たな魅力が生まれる。
「穴やシミも、生活してきたなかでの出来事なので、思い出を残したまま繕っては、偶然の色や模様を楽しんでいます」。
長く付き合いたい衣類は、植物由来の洗剤で洗う。ヤシノミ洗剤は、蛍光剤や漂白剤など洗浄に不要なものを入れないため、生地に余計なストレスを与えず、本来の風合いを守ってくれる。「昔から食器用を愛用しているので信頼感がありました。コンパクトながら洗浄力も申し分なく、強い香りが苦手でこれまで避けていた柔軟剤も、無香料だから気持ちよく使えます」。原料である植物油は、人権と環境に配慮して生産されたRSPO認証油を使用し、排水は水と二酸化炭素に分解されて地球に還る。人や自然に優しいだけでなく、原料調達からこだわる姿勢にも共感を覚えた。大切な思い出を洗うため、選びたい洗剤がある。
1_大切な記憶を刺繍に変えて
暮らす周りを支えるキッチンリネン。ほつれたり、シミの付いたものには、余った糸で刺繍を施す。使って、直して、布との記憶を重ねて、お気に入りの1枚へ。
2_無香料がうれしい洗剤と柔軟剤
無香料の洗剤や柔軟剤が限られるなか、キッチンでは長年ヤシノミ洗剤を愛用していることもあって安心して使えました。コンパクトで場所を取らないのもうれしい。
3_佇まいが美しい白いピッチャー
形が好きでつい集めてしまうというピッチャー。なかでもお気に入りは、一柳京子さんの白いピッチャー。水差しとして食卓に置くだけで様になる。
花を生けるのにも良い。
4_移ろう季節を感じるカレンダー
詩人・白井明大さんによる〈歌こころカレンター〉。二十四節気と七十二候、暦の名前に季節の歌が添えられている。5日ごとにめくって旧暦を楽しむ、短冊型のカレンダー。
5_針と糸が詰まったおばあちゃんの籠
旦那さんのおばあちゃんが使っていた古い籠を裁縫箱に。中には手作りの小さな籠を重ね、針や糸を収納。持ち運ぶときにはフタが開かないよう風呂敷でぐるりと包む。