出会って以来、僕はヤシノミを選び続けている

「あなたは生まれつき、肌が弱かったからね」

先日、両親と電話で喋っていた時の話です。ふと思い出したように、母がこう言いました。そうだった。僕はこれまで、肌のことでずいぶんと悩んできました。


  • 日用品愛好家 渡辺平日 毎日が平日のつもりで、日夜、せっせと文章を書いています。趣味は町歩きと物件探しと民話収集。そういう話題が耳に入ると、反応して振り返ります。現在、「LaLa Begin」や「北欧、暮らしの道具店」などでエッセーを連載中。
    Twitter:@wtnbhijt

幼少期はアトピーやじんましん。思春期にはあせも。成人してからは湿疹や手足のひび割れに苦労させられました。30代になってようやく落ち着いてきましたが、いまでも日々の手入れは欠かせません。


そんな僕が頼りにしているもの。それはずばりヴァセリンです。ほとんど毎日使っていて、旅行先にも必ず持っていきます。これがない人生はちょっと考えられない――そう言いたくなるほど、ヴァセリンには助けられてきました。


ヴァセリンと同じぐらい重宝しているのが、サラヤのヤシノミ洗剤。いまから数年前、ドラッグストアで売っている洗剤のなかで、もっとも手肌に優しそうなものを選んだのがきっかけだったと記憶しています。

ヤシノミ洗剤の第一印象は......。すこし言葉が悪いかもですが、売り場ではぜんぜん目立ってなかったですね。でも僕はその控えめな雰囲気がいいなと感じました。なんというか、それがある種の自信のあらわれのように思えたのです。

「もし肌に合わなかったら、次は違うやつを選べばいい」。僕はそんなことを考えながらレジに向かいました。――その出会いから7年経った今日に至るまで、僕はヤシノミを選び続けています。


「選び続けている理由」を考えてみましたが、不思議なもので、すぐには思い付きませんでした。生活になじみきっているせいで、うまく言葉にできないのかもしれません。

そうですねえ。やはり、手肌に優しいところが気に入っています。それでいて汚れもしっかり落ちるし、あと、香料を使ってないのもいいですね。環境にもきちんと配慮しているし、あとはなんといってもデザインが......と、ひとつ思い付いたら止まらなくなりました。

ヤシノミを選んだ理由。それは、いろいろな意味で「肌に合った」という感じでしょうか。


「渡辺平日さん、ヤシノミ洗剤をご存知ですか?」

そんなある日。サラヤで広報を担当している肥田さんという方から、一通のメールが届きました。

「もしよろしければ、ヤシノミ洗剤をしばらくお使いになって、エッセーを書いていただけませんか?」

「こんな偶然ってあるんだ」と僕は驚きました。それから、なんだか嬉しい気持ちになりました。

ヤシノミとは長い付き合いになりますし、たくさんの思い出やエピソードがあります。そんなわけで、その依頼を二つ返事で引き受けることにしました。

ところがです。執筆にあたって下調べをしている時、ある疑問が浮かび上がってきました。それは、「いったいどういう人たちが、どういう思いで、ヤシノミ洗剤をつくっているのだろう?」というもの。

公式サイトやパンフレットには、ヤシノミ洗剤の歴史やこだわりが詳しく記載されています。でも、そこからは、つくっている人たちの「表情」をうかがい知ることはできません。うーん、気になります。


そんな考えを肥田さんに打ち明けたところ、ヤシノミ洗剤の企画や開発、営業、広報などに携わっている方々に、インタビューを実施する運びとなりました。

インタビューは3回行う予定で、1回目ではヤシノミ洗剤の基礎を築いてきたベテランチームの皆さんに、じっくりとお話を伺っていきます。


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